「そもそもNFTってなに?」
「NFTのどこに価値があって、何が楽しいの?」
ここではそんな疑問に答えていきますね。
1.そもそもNFTとは?
ここではNFTの基本的な概念とざっくりとした仕組みについて解説します。
① NFTの概念
最近よく聞くNFTという言葉。
NFTはNon-Fungible Token(非代替性トークン)の略称です!
「略称です!」と言われたところで、初めてこの言葉を聞いて「あー、そういうことね!」と理解できる人はまずいないでしょう。
疑問は「いや、だから、そもそも非代替性トークンって何?」ですよね。
わかります!
僕も「非代替性?」「トークン?」全く聞いたことない言葉でした。というか、日常生活で使う言葉じゃないですよね。だから聞いたことなくて当たり前です。
とはいえ、
その言葉の意味とか、仕組みを完全に理解しないとNFTを触ってはいけないのか?というと、そんなことはありません。
みなさん、いままさにスマホ触っていると思いますが、スマホの仕組みを知らなくても普通に使いこなしてますよね?
NFTもそうです。小難しいことを知らなくても全然触れます。
ただ、いちおうざっくりはわかっておかないと、後から出てくるNFTならではのトラブルなどに巻き込まれることもあるし、そもそもわかっておかないと「NFTの何が楽しいの?」という疑問がいつまでも残ることになります。
なので、このくらいは知っておいた方がいいよ、という目線でここから解説していきます。もし「もっと深く仕組みを知りたい!」ということであれば、それはもっと専門的に解説しているサイトや、書籍を読んだ方がいいです。
↓オススメはこちらです。
億り人が徹底解説!初心者向けNFTの入門書 (イケダハヤト著)
・・・と、その前に突然ですが、絵画「モナリザ」の本物見たことありますか?
僕は10年くらい前にフランス旅行に行ったときにルーブル美術館で見たことあります。
そのときの僕の感想
「おー、これが本物か!」
自分の目の前にあるものが本物であることを信じて疑いませんでした。だって、ルーブル美術館にあって、モナリザ1点だけの特別室に展示されていて、まわりに警備員がいて、お客さんがたくさん群がって写真撮ったりしてるんですもの。それが僕が本物だと思った理由です。
「ほんとに?」
「ニセモノと入れ替わってないって誰が証明できるの?」
「えーっと・・・たぶん本物です」
そうです、「たぶん本物」なんです。
だって作者のレオナルドダビンチはもうこの世にはいなくて、「これは間違いなく私が描いた本物です」って言ってくれることはない。そしてご存じの方もいると思いますが、モナリザはたびたび盗まれたり、ニセモノ騒ぎがあったり、騒動の絶えなかった作品です。
いまルーブル美術館にあるモナリザは、一部の名のある鑑定士や管理しているルーブル美術館、つまり「限られた人」によって本物として認定されているだけです。
この「限られた人によって」本物扱いしているというのがポイントです。
そしてここからがNFTの話です。
まず、さきほど「非代替性」「トークン」と言いました。
■非代替性:交換できない
■トークン:証明
つまり、NFTとは「交換できない唯一無二のものであることの証明」ということです。
モナリザも「交換できない唯一無二のもの」であることに違いはないのですが、その証明の仕方がNFTとは異なります。
どう異なるかというと、
・モナリザ:「限られた人」によって証明されている
・NFT:「みんな」で証明されている
NFTのこの「みんなで証明されている」というのが画期的なところなんです。
モナリザは限られた人だけで証明しているので、この人たちがグルになってしまえば偽物とすり替えることも可能なのです。
もちろんそのようなことができないように何重もの管理方法をとっていると思いますが、物理的には可能です。
一方で、ブロックチェーンを使って物理的にもすり替え不可能にしているのがNFTです。
なぜ物理的にすり替え不可能なのかというと、みんなでそれを監視しているからです。
これをすり替えるためには、世界中のこれを監視している人全員が同じタイミングで「せーの!」でやらなければなりません。こんなの物理的に不可能なんです。
ここからはNFTとブロックチェーンの関係で、NFTの仕組みを解説していきます。
② NFTの仕組み
はい、ここで出てきましたブロックチェーン!
「なんか聞いたことあるけど、結局なんなのブロックチェーン」ですよね?
大丈夫です。これも小難しい仕組みまで理解する必要はありません。
「ブロック」が「チェーン」でつながってるから、ブロックチェーンというのです。
↓こういうやつです。
で、そのブロックに何が入ってるの?
はい、ここにNFTの情報が入っているのです。
このNFTの情報が入ったブロックを「1本のチェーン」でつないでいくわけです。そしてつながると、みんなでその情報をみることができるのです。
みんなって誰?
はい、あなたも見ることができます。
たとえば僕が「超有名クリエイターAさん」が出品した「スーパーB」というNFT作品を買ったとしましょう。
僕があなたに「スーパーBを買ったんだよ」と自慢します。
あなたは「ほんとか?どれどれ・・・」と、そのブロックチェーンを見に行くと、「ほんとだ、スーパーB買ってる・・・」となるわけです。
そしてその出所をみると「超有名クリエイターAさんが出品した本物だ・・・」となるわけです。それらの情報がブロックチェーンに刻まれているからです。
話がちょっとだけそれますが、実はデジタルデータ(無体物)には所有権がないんです。
「所有権がない」というか、「法的に所有権が認められていない」という表現が適切ですね。
なぜなら所有権というものは、第三者が「確かにこれはあなたのものですね」と認めて初めて存在するものだからです。
いくら作者が「これは自分が作ったものだから所有権は自分にある!」と主張したところで、事実はそうだとしても誰かがそれを認めてくれないとそこに権利は発生しません。
話を戻すと、NFTは「第三者が所有権を認めてくれる」ここに価値があるのです。
この価値がなければ、NFTはどこまでいっても「誰でもコピーできるデジタルデータ」のままです。
1つ実例をあげましょう。
BeepleというクリエイターのNFT作品”Everydays – The first 5,000 Days” が約75億円で買われたことが、NFTが注目を浴びることになったきっかけのひとつでもあります。
デジタル作品が75億円ですよ。
↓これです。
そしてその作品はインターネットで検索すると簡単に出てきて、あなたも見ることが出来ます。なんならJPGファイルですので、ダウンロードしてあなたのスマホの壁紙にすることもできます。(実際この画像もググって拾ってきたデータを張り付けています)
「え?これに大金払うってどういう意味?」
ってなりますよね。
ポイントはただのデジタルデータではなく、「これがNFT化されている」ということなんです。
データ自体は誰でもいつでも見ることはできるのですが、買った人は「これの持ち主は自分だ!」と言えるのです。
「それだけ?」
「はい、それだけです」
「それだけに75億円?」
「はい、それだけに75億円です」
だけど、考えてみてください。
高級ブランドバック、高級ブランド時計、高級車。
高いお金を払ってでも買いたい人いますよね。
機能としては、バックはモノを入れられればいい、時計は時間がわかればいい、車は移動できればいい。なのに、それに何百万円も、何千万円もかけるのはなぜですか?
答えは「高級なもの、有名なもの、自分が欲しいものを所有していること自体が価値になっている」ということです。そして、その金銭的価値の付け方は人それぞれなのです。
NFT作品も全く同じです。
その所有しているものが5,000万円のフェラーリのようなカタチのある物体(有体物)なのか、Beepleの75億円のデジタルアートのようなカタチのないデータ(無体物)なのか、その違いだけです。
そのカタチのないデータに、ブロックチェーンの技術で所有権を与えてくれるものがNFTということになります。
2.NFTの価値ってなに?
NFTの概念や仕組みについてわかっていただけましたでしょうか?
ではここからNFTの価値について解説します。
価値感は人それぞれなで一概には言えないので、「NFTの使い方」という表現が適切かもしれません。大きく4つあると考えます。
①ファッションとしてのNFT
②コミュニティへの参加券としてのNFT
③アートコレクションとしてのNFT
④NFTを買って売って利益を得る
①ファッションとしてのNFT
ここでいうファッションというのは、SNSや、これから世の中に浸透してくるメタバース(仮想現実空間)上でのアイコンやアバターのことです。
この記事を読んでいるみなさんもTwitter, facebook, instagramなどのSNSをやっている人がたくさんいると思いますが、プロフィールのアイコンは何にしていますか?
自分の顔写真を使っている人もいると思いますが、ペット・風景・イラストなど自分以外の画像を使っている人も多いと思います。
これから人とのコミュニケーションがどんどんオンライン化していくと、プロフィールの名前にはニックネーム、アイコンには自分以外の画像を使う人の方が多くなってくるでしょう。特にメタバースにもなってくると、仮想空間の住民になるようなものですから、わざわざリアル世界の自分のプロフィールを使うのではなく、自分とは全く違う人格となって遊んだほうがむしろ楽しいはずです。
このようにオンライン上で自分のアイコンやアバターとしてお気に入りのNFTデータを使うのが、「ファッションとしてのNFTの使い方」です。
簡単に言うと、お気に入りの服を着替えて出かけるようなものです。みなさんが服を着るとき、自分が好きな服、流行っている服を選ぶと思いますが、アイコンにも「自分のお気に入りのNFTイラスト」、「いま流行っているNFTイラスト」を選んでコミュニケーションをとるのです。
そうすると「それかわいいね!」とか、「あなたも持ってるの?私も色違いだけど同じの持ってるよ!フォローさせてください!」というふうに、会話が生まれます。
さらに、Twitterの有料サービスである「Twitter Blue」に、保有するNFTをアイコンに連結させる機能が2022年になって加わりました(※1)。メタマスクなどのウォレットと連結させることで、自分が保有するNFT(※2)をアイコンにするとともに、円形⇒六角形になります。
※1:2022年5月時点では、日本においては一部のiOS端末からのみ利用可能
※2:2022年5月時点では、イーサリアムチェーンのNFTのみに適用
この機能の何がよいかというと、「本当にそのNFTを持っていることの証明になる」ということです。
上述の通りNFTの画像自体はコピー可能なJPGやPNGデータであるため、現状では他人のNFT画像をコピーして自分のアイコンにして「これは自分のNFTだ」と言うことができますが、本当かどうかはぱっと見では判別できません。一方で、六角形になっていると一目瞭然なので、特にそれが高額で希少なNFTだった場合は、「おー、この人本当にこのNFT持ってる、すごい!!」となるわけです。
高級腕時計や高級車をいくら「持ってます!」と宣言したところで本当かどうかわかりませんが、実際にそれを身に付けたり乗り回しているのを見せれば、それが確証になるのと同じ意味ですね。
ここで僕が持っているNFTのうち、アイコンとしてよく見かけるNFTコレクションを紹介します。
こちらのコレクション名は【NEO TOKYO PUNKS】といって、いわゆる「ジェネラティブ(※3)」といわれるコレクションです。
2022年3月にリリースされた後に爆発的にヒットし、いまでも取引が盛んに行われています。
こういう人気コレクションをSNSのアイコンにしていると、「あ、この人わかってるな」となって、フォローされたり会話がはずんだりするわけです。
※3:クリエイターが作成した複数のパーツをコンピュータのプログラムで組み合わせることで、数千~数万個のNFTを自動的に発行する。
ちなみに、世界トップクラスのNFTコレクションを一部紹介すると、【Bored Ape Yacht Club】【Azuki】【CLONE X】【CryptoPunks】などがありますが、これをアイコンにしていると一目置かれること間違いなしです。
ただ、価格が高すぎて簡単に手が出るものではありませんが(日本円換算で数百万~数千万円以上)・・・。
②コミュニティへの参加券としてのNFT
上述のアイコンとしてのNFTもこのコミュニティとしての参加券に使われることが多いのですが(Discordというコミュニティ用SNSでNFT保持者しか入れない部屋など)、ここでいうコミュニティ参加券はいわゆる「住民票」としての価値を提供するNFTについて解説します。
特定のNFTを住民票扱いにしているコミュニティはたくさんあるのですが、その中でも実際に僕が保有しているNFTを紹介します。
このNFTを購入することで、錦鯉の産地で有名な新潟県山古志村のデジタル住民になれます。現在の主な活動は山古志村のプロモーションに関する投票権を持ったり、実際に山古志村を訪問してツアーするときの一部費用を自治体が負担してくれるなどの使い方があります。まだ立ち上がって間もないプロジェクトでもありますので、これからどんな活動になるのか楽しみです。
大人気漫画家の藤原カムイ氏がオンライン上に創造するKamui Verseという世界の住民になれるNFTです。その世界の「LAND」つまり土地を購入することで住民になることができます。2022年4月に最初の販売が始まりました。最終的に10,000区画を販売する予定になっています。つまり人口10,000人の世界の住民になり、この世界の中で今後発生する様々なイベントを楽しむことが出来ます。
このようなプロジェクトはまだ数が少ないですが、今後たくさんのプロジェクトが立ち上がり、リアル世界、仮想世界A、仮想世界Bとそれぞれ異なる人格でそれぞれの世界を生活できるようになるでしょう。
また、それぞれの世界の中での経済活動も本格化していくはずです。
③アートコレクションとしてのNFT
クリエイターが一点一点描き下ろした美術品としてのNFTです。絵画風のもの、ドット絵のもの、3Dのもの、様々な形態があります。中には一点何日も何十時間もかけて描き上げた作品もあり、日本円で数百万円以上の価格で取引されているものもたくさんあります。さきほど紹介したBeepleなどもこの分類に入ると思います。
僕も一点もののNFTをたくさん持っているのですが、その中から2人のコレクターさんの作品を紹介します。
【BANILIZO Private Art Collection】
BANILIZO(@banilizo_nft)さんのコレクションです。
その驚くほど繊細なタッチで大人気のクリエイターさんです。
honemaru(@honemaru_NFT)さんのコレクションです。
個性豊かなガイコツキャラを3Dで制作しているクリエイターさんです。
また一点ものの楽しみ方の一つはオンライン上の自分の美術館に展示することです。NFTデータを展示できるオンライン美術館はいくつかありますが、中でも利用者が多いのはoncyberというサービスで僕も利用しています。VRがなくてもPCやスマホで館内を観覧することができ、URLを共有することで自分以外の人も気軽に来館することができます。
また来館した人から「あなたのコレクションみました!すごく素敵でした!ぜひ私のコレクションも見に来てください!」というコメントをいただくこともあるので、ここでもコミュニケーションが生まれます。
僕のコレクションを展示したoncyberのURLも貼っておきますので、是非ご来館ください(もちろん入場料は無料です笑!)
https://oncyber.io/kawasoe_san
↓館内のイメージ
④NFTを買って売って利益を得る
そして最後、これがNFTの最大の特徴とも言えると思います。
・購入したNFTを転売することができる(2次流通させることができる)
・2次流通の売却価格の一部がクリエイターにも還元される
購入したNFTの価値によっては、購入価格よりも高い価格で転売することも可能です。
これが成立すると転売したあなたに利益をもたらしてくれます。
また、売却価格の一部がクリエイターにも還元されるので、このような2次流通が成立すると、「あなたもクリエイターさんもお互いハッピー」となります。
僕が二次流通させたNFTの実例を紹介します。
こちらも2022年の2月に人気大爆発した【Kawaii Skull】コレクションです。
クリエイターのKawaiiSKULLさんから、僕(You)が0.01ETHで購入し、
僕(You)から、次の方へ2次流通で0.1ETHで売却しました。
この2次流通のお金(ETH)の流れを説明します。
まず、売却価格0.1ETHの10%である0.01ETHが、クリエイターに支払われます。
また、売却価格0.1ETHの2.5%である0.0025ETHが、OpenSeaへの手数料として支払われます。
僕の手元には、
0.1(売却価格)-0.01(クリエイターへの支払)-0.0025(OpenSeaへの支払)=0.0875ETH
が「収入」として入ってきます。
僕がクリエイターから購入した価格は0.01ETHなのでこれを「費用」と考えると、
0.0875(収入)-0.01(費用)=0.0775ETH
が僕の「利益」になります。
これはかなり画期的なことです。例えば、
同じようにオンライン上でお金を払って買うものとして、Kindleなどの電子書籍やオンラインライブのチケットなどがありますが、これは転売することはできません。
また、紙の書籍を中古本屋さんに売ったとしても、著者には1円も還元されません。
ところが、NFTは2次流通⇒3次流通⇒4次流通・・・と転売されるたびに売却価格の一部がクリエイターに還元されるシステムになっていることもあり、多くのNFTクリエイターが転売を推奨してくれます。
つまり、転売が成立するとコレクターとクリエイターの双方にメリットがあるのがNFTの特徴です。
実際にTwitterなどでコレクターとクリエイターがお互いに2次流通成立を感謝しあっている素敵なツイートをよく見かけます。これがきっかけでコレクターとクリエイターにコミュニケーションが生まれます。僕にも2次流通がきっかけで仲良くなったクリエイターさんがいます。
【まとめ】
1.NFTとは、
「それが本物で所有権をあなたが持っていること」をブロックチェーン上でみんなで証明してくれるもの。
2.NFTの価値は、
その所有権を活用して、コミュニケーションツールになったり、流通させた人に利益をもたらしてくれるもの。
今後NFTの活用の幅はもっと広がっていくでしょうし、それはどんどん身近なものになってくるでしょう。
なのでいまのうちからNFTに慣れておくとスムーズに順応できると思います。
以下のリンクからNFT購入までのステップについて解説していますので、是非読んでみてください。一緒にNFTのある毎日を楽しみましょう!
【わかりやすい画像付き】初心者向け | NFT購入までの3つのステップ!